前書いてたものの書き直し。ただ垂れ流すだけのどうでもいいような小説部屋。なんとも言いがたい内容を作ってます。
COmayo-29
Starrain:07
2008年 05月 10日 (土) 01:21 | 編集
「それとも、引いてほしいの?」
「そこまで言ってないけど…」
 予想外の返事が返ってきたので、ルノはどう言ったらいいのか分からない。
「あんたのその力とさ。俺は真逆みたいだから、別に怖がるとか必要ないよ。カ
バーすりゃいいだけだしな」
 ヴィルナードは共有する小さめの冷蔵庫から缶ジュースを2本取ると、ルノに
放った。普通の扱いをしてくれる人間は今までに居なかったためか、驚きを隠せ
ないようだった。
 家に居てもこの学校に来ても、腫れ物に触るような扱いしかされなかったのだ
。例え相手が気付かせまいとしているようでも、やはりそう感じてしまう。
「それに、力使うのが嫌なんだろ」
「……」
「ならいいじゃん」
 子供のように無邪気な笑みをしながら、ヴィルナードはルノに言った。その笑
顔を見て、ルノは卑屈になっていた自分が恥ずかしくなった。彼から目を反らし
、受け取った缶ジュースを開けて口にする。
 …甘酸っぱいオレンジの味がした。

 なかなか教師達が卒業を許してくれなかった理由。こういう事だったのかと、
ヴィルナードは目の前で飛び散った陶器の破片を見ながらひしひしと感じていた

 特殊技能開発室から来たルノを、クラスメート達はヴィルナードのように寛容
に受け入れる訳ではなかった。破壊という人を傷つけるかもしれない能力を持つ
彼を、怖がる生徒も居るのだ。
「…ナーバスになんなくてもいいよ」
 緊張しているのか、噂に敏感になりすぎているのか。不意に能力が発動してし
まい、陶器の花瓶がいきなり割れてしまったのだ。
「俺、直しておくからさ」
 そう言って、ヴィルナードは割れた破片を繋ぎ合わせていく。教室の隅にある
小さな洗面所で、花瓶に水を入れ、活けてあった花を元通りにさした。
「悪い。…俺、ちょっと教室出る」
 ルノはそう言うと、気まずい表情で教室を後にした。彼の姿が見えなくなると
、教室内の緊張が解れたような雰囲気になる。
「見た?こええよマジで」
「これからあんなのと一緒?勘弁してよ」
 居なくなるのをいい事に、好き放題に言うクラスメートを、ヴィルナードは苦
々しく思った。
 自分の席に座り、どうしたらいいのか思い悩んでいると、目の前に座るリコは
おやつに持ってきたらしい栗を剥きながら呟いた。
「…皮、硬いわ。頼んでくる」
「?」
 おもむろに立ち上がると、彼女は栗が入った袋を持ち出し歩きだす。
「あいつ、化けモンだわ」
 ルノの噂を続ける彼らに、ヴィルナードは何か言ってやろうと口を開いた。
「…痛ってえ!」
「何だこれ…」
 いきなり飛んできたらしい物が足元に転がる。茶色い栗。
「あー、ごめん。化けモン居るって聞いたからさぁ。化けモンと間違って退治し
ようとしたわ」
 意外な反撃に、ヴィルナードは思わず吹き出してしまった。やるじゃんかよと
、リコにGJと言いたくなるのを押さえる。
「くそうぜぇ女!」
「あっそ!」
 憤慨するクラスメートをよそに、リコは飄々と教室を後にする。ヴィルナード
はそんな彼女を追うために、ようやく腰を上げた。
 あいつ、やっぱイイわ。そう思って、彼はにやにやしてしまった。
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